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登場人物

※ 一年後の今、書き加え、改変したものが多くあります。

アシア

( きやすと : Quattro Francoins )

​妖しい旅芸人

齢 : 不詳(風貌からして弐拾半ばと推測)

好き : 楽器を触ること、世界を見て周ること

 飄々としていながら、実は他者を気遣える程に隅々までちゃんと見ている美人のお姉さん。おそらく名は偽名の一つ。

 各地を転々と旅し、酒場や宿屋、劇場で唄ったりなどして暮らしている。旅する切っ掛けとなった師匠譲りか鋭い勘を持ち、当物語時点では然程不思議な事件に遭遇していないものの、既に幾分かはその感性が磨かれている。

 また、そこそこの売れっ子であり、知るヒトは知る彼女の声はどこか浮世離れしたものを感じさせ、聴く者を夢心地にさせると言う。

 彼女による詩集『詩織り』は彼女に惚れた、どこぞの有力者が勝手につくったもの。乗り気でなかった彼女を宥めて売り出したところ中々の好評振りだった為、有力者の息がかかった大きな劇場には今でも少数置かれているとか。

 物語後は、相も変わらずどこかで不思議な事件に巻き込まれていると思われる。年齢を感じさせないその姿で。

 サギリ村の村長である、ギョウテンの一人息子。

 外見は同年代と特段変わらず明るい、少々ナイーブなだけの青年であるが、村長の一人息子という立場からか常に周囲からの重圧に悩み、村にはまるで魅力を感じなくなっている。

​ いつか村を出て、誰も自分を知らない地へ行きたいと願う彼の夢の裏には、七年前の悲劇による現村長、父、大人たちへの不信感が大きく根を張っているようだ。

 幼き頃に仲睦まじく遊んでいた年上の幼馴染センカは、憧れであり、当時は純然な好意を持っていた訳では無かったらしい。

 物語後は、村長が変わった為に地位を継がずに済み、単身で村を離れて旅をしているといわれている。

カブト

( きやすと : Teews Rik )

​村長の一人息子

齢 : 壱拾六

好き : 旅人の話、雲

ギョウテン

( きやすと : Nemui Offtone )

​サギリ村村長

齢 : 四拾壱

好き : 静かな晩酌、安定

 疲れた獅子のような風貌の、現サギリ村村長。

 先代村長である彼の父が若くに他界した為、当初の予定よりも随分早い段階で村長となった過去を持つ。
 若き頃は親友のトバリと、幼馴染の亡き妻とで日々問題を起こしていたという。親友とは競い合う仲であったが、あらゆる点でギョウテンは彼を超えることが出来ず、未熟なギョウテンが村長として認められたことも、裏で支えるトバリの力があってこそという暗黙の事実は、やがて彼の心に大きな影をつくっていった。

 七年前の悲劇により妻を亡くしたとき、とうとう親友への憎しみが抑え切れなくなり、独断的に娘ともども村からの追放という措置を取っている。追放の中での村民の過激な行動は、薄々知りながら黙認していた様子。

 その後この事件は公には、皮肉にも彼の手腕を証明する、実際の初めてのものとなった。

 妻を失って以後は息子に対し、父としてではなく、村長としてでしか話せないでおり、そうしたことが親子の溝を更に深めることとなっている。

 物語後は​、自責と責任問題から村長の座を他へ譲り、贖罪の道へ進んだといわれている。

 壊れた人形のような隻眼の少女トバリの​一人娘。

 その残された瞳は全てに絶望し濁りきった様だが、時折助けを求めるように煌めく。

 実は村の外の拾い子であるという事実は一部の者にしか知られておらず、当の本人も薄々感付いてはいるものの、自身の子のように扱ってくれるトバリがいる為に、さして気にしていない。

 かつては可愛らしい人形の様な面持ちの静かな美少女として、サギリ村で誰もと同じように暮らしていたが、ギョウテンにより突如、トバリともども村から追放される。

 騒動の際に怒れる村民たちから暴行されて左眼を潰し、残った右眼も視力を大きく失っている。

 追放後はどうにか父とともに生きていたが、日々、ヒトへの憎しみを募らせていった。

 物語後は、魂が抜けたようにどこまでも彷徨っていたが、ある時一人の青年と再会し、その後は二人で世界を旅したといわれている。

センカ

( きやすと : Lei Blackcat )

​復習を誓う少女

齢 : 壱拾八

嫌い : ヒト

好き​ : カブト

トバリ

( きやすと : Yoshitsune Bright )

​謎の男

齢 : 四拾壱

好き : 不明

 全身傷痕だらけの、梟を思わせる謎の男。​その正体はかつてギョウテンと無二の親友であった、トバリその人である。

​ かつては眉目秀麗で誰からも愛されていたが、今ではその顔は醜く歪み、深い絶望が張り付いている。

 ギョウテンをあらゆる面で超える才を持ちながら、自分では決して彼になることは出来ないと感じている。

 村を追放された際に村民から暴行され、全身に後遺症が残る程の傷を受けながらも、一人娘を護りつつ、どうにか生き長らえる。

 また、そのときの傷かはたまたショックからか、喋ることが出来なくなっている。

 以後抱えることになる深い絶望は、ヒトに対してのものというよりかは、無二の親友に裏切られたということによるものが大きいと思われる。

 最期は大魚が村を呑み込む中、若者の為に地神へ、その魂を捧げた。

 サギリ村で古くから信仰されている、リンネの湯に宿る神様。

 転生をその身に司り、時折、白い蛇の姿で村民の前に出ることもあると言い伝えられている。

 大惨事を引き起こす大魚を鎮める為、トバリの魂を引き金に喚ばれ、事態を収拾させた。因みに結果的に村は最小限の被害で済んだものの、大魚はその影を潜ませただけで完全に消えた訳ではない。

地神様

( きやすと : Kayaya Kaya )

​リンネの湯の地神

齢 : 不明

​討伐人

( きやすと : Dingo Hybrid )

​荒々しい傭兵

齢 : 参拾弐

好き : 狩り、酒、力

 厳しい顔の、遠方から訪れた一流の傭兵。

 サギリ村の一部有力者によって、豊穣祭の観光という名目で多額の報酬で雇われ、遥々この村へやって来た。この件に関して当然村長の許可などは取っていない。

 これまで幾多の怪物を屠ってきたと言われ、血の臭いが染み付いたその腕は本物である。

 また彼が村に訪れた際、最初に出逢ったのが村名物の温泉卵であったことは、ここだけの秘密である。

 物語後は、大魚の姿がトラウマとなり、暫く武器が握れなくなった挙げ句に魚が苦手になったといわれている。

 サギリ村村長であるギョウテンを補佐する地位に就く、遣り手の男。若い頃からギョウテンの側近として、堅実に様々な仕事をしてきた。

 カブトとよく話す機会があり、彼に対して「村長の息子」という微かな羨望からか、父の職が如何に重要かを常々説いている。良くも悪くも真面目。

 豊穣祭の準備で物語時点ではてんてこ舞いであり、疲労からかしょっちゅう小指をぶつけている姿が目撃されている。

​ 物語後は、騒動の事後処理に追われつつ、村の復興に人一倍尽力しているようだ。

組頭

( きやすと : Merry Morrie )

​村長の補佐兼事務

齢 : 参拾伍

好き : 出来立てから少し時間を置いて

温くなった煎餅、釣り

宿屋の旦

( きやすと : Gene Gowen )

​サギリ村の権力者の一人

齢 : 参拾参

好き : 夏の夜の田んぼ、入浴、裁縫

 サギリ村の中でも一際大きな宿を経営する、屈指の権力者の一人。

 普段は穏やかで、どこか抜けている様を思わせるが、いざ商売となると相手が驚く程の交渉術を見せる。ただ、本心は常に必死。

 村長であるギョウテンとは、公私ともに仲が良い。作中で彼が、自身の派閥でない有力者の雇った討伐人の接待をしているのは、その雇い主に借りがあった為。

 豊穣祭では入用の布を急遽大量に準備する必要に迫られていた為に、重役の部下たちとともに夜なべして生地に模様を入れていたという。

 因みに独身である。

 物語後は、騒動により一時は看板を降ろすか否かまでの窮地に陥るが、偶然に訪れた有力者の助言もあり、村だけでなく、世界各地に独自の宿を建てることで好転し、後に広く知られる豪商になったといわれている。

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